研究のキーワードは,以下のようなものです.

 個人的に興味をもつ研究テーマに共通するコアは,ユーザ意図の抽出・活用だと考えています.現在取り組んでいる研究テーマは,以下の3つに大別できます.


 以下,私が過去に研究していた「人間の意思決定を支援する,情報可視化技術を用いた対話的なインタフェース」に関する研究の概要を, 紹介します.

情報の収集と分析作業を支援しよう!

 ここをご覧のお客様の殆どは,日常生活の中でWeb上の情報に接する機会が多いと思います.
今や,特別な情報活用技能を持った情報検索の専門家だけでなく,一般のユーザにも,
なんらかの問題を解決するために有用な情報を収集し分析するスキルが問われる時代です.
 Web上の情報は日々増え続け,それは辞書のように綺麗に整理されているわけでもありません.
さらに,情報の質という点では,まさに玉石混交と言える様相を呈しています.
そのため,ユーザが自身にとって真に必要な情報を入手したり,
多量の情報を様々な角度から比較検討する作業の負荷は,増大する一方です.

 このような背景をふまえ,なんらかの問題を解決する(=意思決定を行う)際に行われる,
探索的情報検索を伴った,情報の比較検討などの分析作業を支援する手段を
ユーザに提供する
ことが,私の研究目的でした.

可視化インタフェースで支援しよう!

 多量な情報を,ユーザに分かりやすく提示する情報可視化技術は,
情報を分析する際に有益な技術です.
 私の研究では,図1に示す意思決定の流れの中で,
探索的情報検索を伴ったデータ分析に焦点をあて,それらの作業を支援する,
情報可視化インタフェース「キーワードマップ」を提案しました.
意思決定の流れと情報可視化インタフェースで支援する対象
図1 意思決定の流れと,情報可視化インタフェースによる支援の対象

 意思決定の流れには,図1に示す通り,行動的側面と認知的側面がありますが,
本研究で提案したインタフェースは,それら両面をカバーすることを目指しました.

対話的な情報可視化インタフェース「キーワードマップ」

 図2に示すキーワードマップは,オブジェクト(キーワード)間の関連度に応じて,
キーワードを2D平面上に自動配置する対話的な情報可視化インタフェースです.
キーワードマップ実行例
図2 キーワードマップ実行例

 ユーザは,システムに備わっているインタラクション機能を利用し,
キーワード配置に介入することができます.
 本システムの特徴の1つは,意思決定においてユーザの曖昧な要求を精緻化を促すために,
ユーザ意図を強調したキーワード配置の作成支援が可能な点が挙げられます.
 また,意思決定の流れの行動的側面をカバーするために,
意思決定方略に応じた多角的な視点からのデータ分析を可能にし,
認知的側面をカバーするために,ユーザの「気づき」を促すことを試みます.
(気づきの支援については,現在も継続して研究中です.)

探索的情報検索システムの設計モデル

 キーワードマップをインタフェースとする汎用的な探索的情報検索システムの設計モデルとして,
Poker-Maker(POint KEywords and Relevance balance setting 窶骭
Modify Active Keyword map cube Expressing Relevance data)モデルを提案しました.
 図3に示すように,キーワードマップと情報収集エージェントの間に置かれたKMキューブを
ユーザと情報収集エージェントが操作します.
KMキューブを置くことで,キーワードマップと情報収集エージェントを明確に分離しつつ
KMキューブの操作にタスク非依存の統一性をもたせることで,様々なタスクに対しても,
共通のインタフェースを利用して問題解決を図れる探索的情報検索システムの構築が可能になりました.
探索的情報検索システムの全体像と検索手順
図3 探索的情報検索システムの全体像と検索手順